【丁寧解説】極上に美味しい!米粉マドレーヌの作り方

2024-5-2
【丁寧解説】極上に美味しい!米粉マドレーヌの作り方

マドレーヌ(madeleine)は、フランス伝統の焼き菓子です。

発祥はフランスのロレーヌ地方とされ、18世紀頃から食べられていたそうです。世界中の人から愛され続けるマドレーヌですが、シンプルで飽きのこない、どこかほっとするような優しい味わいが最大の魅力です。

材料も作り方もとてもシンプルですが、シンプルだからこそ奥が深く、極上に美味しく作るためには抑えておくべきポイントがいくつもあります。それらの基本的なポイントを踏まえて作れば、パティスリーに並ぶプロレベルの“極上に美味しいマドレーヌ”を作る事ができるだけでなく、お菓子作りの基本を理解することができます。

今回はそんなマドレーヌを小麦粉ではなく米粉で作る方法をご紹介致します。美味しく作るポイントを分かりやすく丁寧に「それはなぜ?」を解決しながら、お伝えします。米粉で作るマドレーヌは普通のマドレーヌとはちょっぴり違うコツもありますよ。

きちんとマスター出来ればお菓子作りの腕も上がり、何度も作りたくなるお菓子になります。

焼きたては外が「カリッ」と中は「ふわふわ」で口溶けがとても良く、バターの深いコクと旨み、ほんのり香るレモンの風味が幸せにしてくれます。

ぜひ最後までお読みいただきご参考にしてくださいね!

 

 

材料とその説明

マドレーヌ型8個分

  • 米粉 50g(製菓用ミズホチカラ)
  • 無塩バター 50g
  • 卵1個(常温に戻す)
  • きび砂糖 50g
  • ベーキングパウダー 2g
  • バニラペースト 少々(バニラオイルでも良い)
  • 塩 ひとつまみ
  • レモンゼスト 1/2個分

 

ブーレファリネ

  • バター 適宜(ポマード状にしておく)
  • 米粉 適宜

 

米粉はミズホチカラでなくても、製菓用米粉や兼用米粉でも大丈夫です。

お菓子作りでは無塩バターが基本ですが、それはお菓子作りには大量のバターを使用することが多く、有塩バターを使うと塩分量が比例して多くなってしまい、しょっぱくなってしまからです。また、食塩が小麦粉の粘りであるグルテンを強めてしまうという理由もあります。今回は小麦粉ではなく米粉を使用するため、グルテンが強まる心配はありませんし、塩分がそれ程多くなる心配もないので、有塩バターをお使い頂いても大丈夫です。有塩バターをお使いになる場合は材料のひとつまみの塩を加えずにお作りください。また発酵バターなどをお使いになっても違った味わいを楽しめます。

“ブ️ーレファリネ”とは、バターを塗った後で粉を振りかける下準備のことです。型にクッキングシートを敷けないマドレーヌは、このブーレファリネをすると型離れが良くなり、焼き上がりの表面を美しくしてくれる効果があります。面倒ですが、これをするとしないとでは雲泥の差、ひと手間で見た目も美しく、型から外れないという煩わしさを無くすことが出来ます。

今回は材料に加えていませんが、マドレーヌや焼き菓子のレシピには、“はちみつ”を加える場合があります。はちみつを加えるとどんなメリットがあるのでしょうか?お菓子にはちみつを加えると、コクが生まれてうまみが増し、美味しく感じられます。またはちみつには水分を保つ効果があり、生地の乾燥を防ぎ、焼き菓子がパサパサにならず、しっとりとした食感をキープしてくれます。気になる方は、お好みでお砂糖の1部をはちみつにして作ってみて楽しんでくださいね。

また良くある質問として、“マドレーヌ”と“フィナンシェ”の違いは何ですか?というお声をいただきますが、マドレーヌは全卵を使うのに対し、フィナンシェは卵白のみを使用します。また、フィナンシェにはアーモンドプードルが入ります。そして、最大の違いとして、マドレーヌには“溶かしバター”、フィナンシェには“焦がしバター”を使うのが基本です。フランス語で焦がしバターは「ブール・ノワゼット(beurre noisette)」といいます。ブールはバター、ノワゼットはヘーゼルナッツで、バターをヘーゼルナッツのような色になるまで焦がすことからこの名前が付けられています。

卵白のみを使い、アーモンドプードルのコクと焦がしバターの香りと旨みのあるフィナンシェはマドレーヌとはまた違った美味しさがあり、違いを知ってそれぞれの美味しさを食べ比べてみるのも楽しいですよね♪またマドレーヌの溶かしバターを焦がしバターに変えてリッチに作ってみたりしても楽しいので、良かったら試してみてくださいね!

 


    マドレーヌの作り方

    1. ブーレファリネをする。型にポマード状にしたバターを、ハケで塗り、冷蔵庫で冷やす。

    Point !!

    バターはポマード状にします。液体のバターではバターが流れて底が厚くなってしまいます。クリームのようなバターを丁寧に塗り、ムラがないように薄すぎず厚すぎず均一に塗りましょう。また一度冷やすことも大切です!この後振る米粉とバターがなじむのを防ぐことができます。

     


    2. (1)に米粉をしっかり振り、しっかり余分な粉を落とす。

    Point !!

    粉が付き過ぎている所があると、焼き上がりの表面が白く粉をふいたようになってしまいます。しっかり粉を付けた後にしっかりと余分な粉を落とす事が大切です。

     

    ブーレファリネあり

    ブーレファリネなし

     


    3. ボウルに卵を入れて溶き、レモンゼスト、きび砂糖、バニラペーストを入れて混ぜる。

    Point !!

    冷たい材料は次で加える溶かしバターの温度を下げ、バターが固まる原因になります。特に卵は常温に戻し、触るとほんのり冷たい程度にしましょう。また卵に材料を加える際は、泡立てる必要はありません。泡立てて大きな気泡ができると、焼きあがったマドレーヌがパサパサしてしっとり仕上がりません。それぞれの工程で材料が混ざり合えば良いです。

     


    4. (3)に米粉、ベーキングパウダー、塩を加えて混ぜる

    Point !!

    基本的にお菓子作りでは、小麦粉を入れてから混ぜすぎてしまうと、粘りの元であるグルテンが出すぎてしまい、膨らみの悪いかたい生地になってしまうので、混ぜすぎないのが基本です。しかし今回はグルテンのない米粉ですので、混ぜすぎの心配はありません。粉気がなくなるまでしっかり混ぜましょう。

     


    5. (4)に溶かした温かい無塩バターを加えて混ぜる。

    Point !!

    バターは溶かして入れるのがポイントです。バターの温度が冷たいと生地が均等 に混ざりません。バターは温かくさらさらした液状で加えましょう。逆に熱過ぎるバターを加えると卵や粉類が高温で凝固してしまうので、40〜50℃位の温度が理想です。

     


    6. マドレーヌ型に生地を8分目程流し入れ、底をトントンと軽く台に打ちつけ、空気を抜く。

    Point !!

    お菓子作りでは、生地を焼く前に一旦冷蔵庫で休ませる事があります。

    小麦粉やグラニュー糖を使った生地の場合は、休ませる事でグルテンが落ち着いたり、粒子の大きい溶けにくい材料が溶け、味がなじむなどがあります。

    今回はグルテンの含まれない米粉と粒子の細かいきび砂糖を使用しているため、休ませる必要はありません。またベーキングパウダーは水分と合わさった時から反応が始まるので、あまり長時間置いてしまうとベーキングパウダーの働きが弱くなることもあります。休ませず焼いてください。

     


    7. 190℃のオーブンで1012分程焼く。

    Point !!

    マドレーヌにはぷっくりふくれた“おへそ”(上記写真の膨らみ部分)があり、それが美味しい証とも言われています。“おへそ”は型に入れた生地が周りから中央に向かって火が入り、中央の生地内の水分が水蒸気となり焼き固まった表面から出ようとして、逃げ場を無くして膨らんだ時に出来ます。必ずしも“おへそ”が出ているイコール成功ではありませんが、盛り上がって膨らむということは、その分食感が軽ろやかにふんわりと仕上がるということです。“おへそ”を出すコツはオーブンを高温にする事です。190℃の少し高めの温度にしっかり予熱したオーブンで焼く事が“おへそ”のあるふんわりマドレーヌを焼く最大のポイントです。

     


    8. 粗熱を取ってから型から外し、出来上がり。

    Point !!

    型から取り外すのは、粗熱が取れてからがベストです。焼き立ての生地は非常に柔らかく、無理に取り出そうとすると生地を傷めることがあります。生地が触れるくらいの温度になったら、取り外しましょう。また完全に冷めてからも取れにくくなりますので注意してください。

     

     

     

     

    マドレーヌが焼けてから

    焼き立てのマドレーヌは、バターの香りやレモンの風味が立ち、外はカリッ、中はしっとりふわふわで美味しいです。しかし“焼き菓子”は焼いた翌日以降が美味しいと言われるように、時間がたってからも、バターが全体になじんで、生地が落ち着き、さらにしっとりとした食感に変化し、焼きたてとはまた違う美味しさを楽しめます。 

    またマドレーヌは、気温が高い季節を除いて34日以内に食べ切れる場合は常温で保存するのがおすすめです。保存する際は、密閉容器に入れて乾燥を防ぎ、直射日光が当たらない温度の低い場所に置きましょう。

    それ以上保存したい場合や夏場などは、油分が酸化し風味が劣化しやすいため、冷蔵や冷凍で保存してください。

     

     

    ポイントまとめ

    • 型にブーレファリネし冷蔵庫で冷やす。
    • 型に振る粉はしっかりつけて、しっかり余分な粉を落とす。
    • 材料は常温、泡立てる必要はない。
    • 粉を加えたら粉気がなくなるまで混ぜる。
    • バターは温かくさらさらした液状で加える。
    • しっかり予熱した高めの温度(190℃)のオーブンで焼く。
    • 焼けたら粗熱を取って型から外す。

       

       

      いかがでしたでしょうか?

      今回はグルテンフリーの米粉マドレーヌについて詳しい作り方を徹底解説してまいりました。ポイントやコツを知り、その何故?が分かったことで、これまで米粉マドレーヌに挑戦したことのない方が作ってみようかな、と思ってくださったり、これまでうまく作れなかった方のご参考になれば幸いです。

      またこの方法を参考にして、自分の好みの甘さや食感、味わい、またお持ちの型や道具、オーブンの特性などを活かして、ご自分なりの米粉マドレーヌのレシピを作ってみてくださいね!

      オーブンから漂うマドレーヌの香りは、幸せそのものの香りがします。上手く作れると嬉しいですし、誰かにプレゼントしてもきっと喜んで貰えますよ♡幸せがもっと広がると嬉しいですよね♪

      「この作り方以外にもこんな作り方があるよ!」だったり、「最高に美味しいマドレーヌが作れた!!」などがあれば、ぜひコメントをシェアしてくださいね!

      皆さんのお声が聴けるのを楽しみにしています。


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