海外現地レポート!フィンランドでのグルテンフリー生活

海外現地レポート!フィンランドでのグルテンフリー生活

2024-4-1

 

パクペルでは、これから海外のフードダイバーシティ事情についても配信していきます!

記念すべき第1弾は、フィンランドのグルテンフリー生活です。

ムーミンやサウナ、かわいらしい雑貨や家具で有名なフィンランドですが、幸福度が高く個性や多様性を大事にしている成熟した国という印象も強いです。そんなフィンランドのグルテンフリー生活事情はどうなっているのでしょうか?

フィンランド人の旦那さんとの結婚を機に、15年前からフィンランドのヘルシンキで家族3人で暮らしているみゆきさんに現地レポートをして頂きました。

 

最近、日本でも注目されているグルテンフリーですが、フィンランドではかなり前から生活に馴染みのあるものです。

 

と言うのも、フィンランドでは昔からグルテンアレルギーやセリアック病といったグルテンを食べられない人がいたからです。これらの病気の人は、小麦などのグルテンを含む食事を食べるとお腹が張ったり、下痢、疲れやすい、貧血などの症状が出ることがあります。 

 

フィンランドの主食はじゃがいも、とも言われますが、パンを食べることが多く、小麦だけでなく、ライ麦、オーツ麦、大麦などの穀物を食べて育っているので、年齢とともにグルテンにアレルギーが出てくると言うのも納得ですよね。

 

健康や美容のためにグルテンフリーをしているのであれば大麦やライ麦等のグルテン量が少ないものを食べることも可能ですが、グルテンアレルギーの人には絶対NGです。なので、フィンランドにはどんなに小さなスーパーでもグルテンフリーコーナーがあって、グルテンフリーの粉からパスタ、クッキーなどの既製品まで取り揃えています。

 

グルテンフリー、という意味のフィンランド語はgluuteeniton(グルテーニトン)。スーパーではグルテーニトン売り場に行けばグルテンフリーの製品が手に入ります。トン、という言葉に入っていない、フリーという意味があるので、いろいろな言葉の最後にトン、という言葉が入っています。ラクトースフリー(フィンランドには乳糖不耐性の人がいるのでラクトースの入っていない乳製品も多く売られています)の場合はラクトーシトン、といった具合です。余談ですが、食べ物だけには限らず、〇〇がない、という意味で失業者、というフィンランド語にもトンを使います。

 

実際のフィンランドのグルテーニントン売り場はこんな感じです。コストコサイズのスーパーに行けば所狭しと並んでいます。

 

ピザやパン、ケーキに使用できる小麦粉の代用品です。米粉やそば粉、グルテンフリーのオーツ粉等が使われています。

 

ポリッジ(お粥のようなもの)やミュズリ(穀物にドライフルーツやナッツが入ったもの)、シリアルにはグルテンフリーのオーツ等が使用されています。

 

クラッカーやパスタには、とうもろこし粉やじゃがいも粉、米粉等が使用されています。

 

お菓子コーナー(クッキー、プレッツェル、お菓子に使う粉等)です。グルテンフリーのお菓子には米粉やグルテンフリー用のオーツ粉、コーンパウダー等が使用されています。

 

 

2024年現在はアジア食材も豊富に入ってくるようになったので、米や米粉だけでなくフォーやシラタキ(こちらではシラタキヌードルといってグルテンフリー商品やローカロリー商品としてパスタのように食べる人もいます)などグルテンアレルギーの人も食の選択肢が増えました。

 

私の友人にもグルテンアレルギーの方がいますが、寿司パーティーをした時のこと。当時、醤油にはグルテンが入っていることを知らなかったので、グルテンフリーの醤油を用意しておらず。醤油なしで食べてもらうことになった、なんてエピソードもあります。

 

彼女がグルテンアレルギーだと気付いたのはベトナムに旅行に行ったことがきっかけだったとか。ベトナムでは米を使った物が多く、体調がいつになく良く、疲れにくい、などのことに気付いたそうです。その後、フィンランドに帰ってきて体調が悪化し、その後からグルテン断ちをしています。

 

現在はかなり厳しく制限をしており、グルテン入りのパンに使ったマーガリンは使えないほど。最初はびっくりしましたが、フィンランドでは決して珍しいことではありません。

 

グルテンフリー醤油は、最近ではどこのスーパーでも大体見かけるようになりました。

 

 

グルテンアレルギーの人が多くいるので、ホテルのビュッフェにグルテンフリーコーナーがあるのはもちろん、社員食堂でもグルテンフリーのパンもマーガリンも頼めば出てきます。ミーティングや勉強会でもグルテンフリーのサンドイッチやデザートが別に用意されているのは当然です。

 

では実際にレストランに行った時はどうなのか?こちらも、当たり前のことのようにグルテンフリーのメニューが用意されています。メニューのなかにグルテンフリー、とマークが付いているものから選べば良いので安心です。とは言え、レストランの厨房で小麦粉を使っている場合、そのグルテンに反応するほど敏感な人もいるので、そういう人たちはレストランにも足を運べません。

 

フィンランドではグルテンフリーがないレストランはないと言っていいほど、生活に浸透しています。たとえばマクドナルドなどのファストフードに行ってもグルテンフリーのハンバーガーが選べます。かれこれ10年以上前からだったので、グルテンアレルギーが生活に密着していると言えるでしょう。

 

フィンランド発祥のファーストフード「ヘスバーガー」の注文用タッチパネルです。グルテンフリーのハンバーガーが普通に注文できます。

 

 

グルテンアレルギーの人も日本に比べれば多くいますが、最近ではやはり健康志向からグルテンフリー生活を始めている人もフィンランドで増えてきているようです。日本のように選択肢は多くはなく、味にこだわりがないので味のレベルはあまり高くはありません。米粉がグルテンフリーの第一選択ではないこと、米の美味しさにこだわっていないことが味の質を落としている原因でしょう。

 

それでも最近は空前の寿司ブームや中華・タイ以外のアジアンレストランが増えたことで、グルテンフリーの食の選択肢が広がったのではないかと思います。レストランに行く時にグルテンフリーがないから、と躊躇することは決してありません。

 

グルテンフリーの生活を2ヶ月続けていた友人が、久しぶりにパンを食べたところひどい腹痛に襲われた、という話も聞いているので、グルテンが腸に与える影響は否定できません。それでも、いつか自分もグルテン不耐性になる可能性があるのであれば、今は思いっきり美味しいラーメンやうどん、はたまた唐揚げやトンカツを日本ではお腹いっぱい食べたいとも思う日々です。

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